スタインバーガー (Steinberger) その2

前回の説明では、単に「お笑い芸人御用達のギター」という説明にしかなっておらず、あまりにもあれなので真面目な解説を少々。

stein_logo

メーカー:STEINBERGER
モデル名:GL2TA ELITE
ボディー材:スタインバーガー・ブレンド強化合成樹脂
指板材:フェノール樹脂

購入したのは20年以上前でしょうか。

神戸市内の書店でギター雑誌を立ち読みしていたところ、大阪の楽器店の広告に、このギターが訳あり品として破格の値段で掲載されていました。

学生時代から憧れのギターだったで、その足で大阪まで行きその場でローンを組んで購入。「訳あり」の理由は、指板の6弦側サイドとネックに傷有りということだったのですが、演奏に支障はないし、見た目も気になるほどではありませんでした。

さて、このギターの特徴はなんと言っても強化合成樹脂製のネックと一体となった小型のボディでしょう。ネックにはヘッドが無い為、さらに小ささが強調されます。

この強化合成樹脂はグラファイトにカーボンを配合し、音響特性に特化した素材とされています。通常の木材で出来たギターの様に湿気や温度の影響を受けず、完全にメンテナンス・フリーです。
(一部経年によりネックが反るという話もありますが、自分の個体は今のところ問題無いようです。)

ヘッドが無い為、チューニングはブリッジにあるつまみを回して行います。

t-trem

通常のギターでは、ギヤを回して弦を巻き取る事によりチューニングを行いますが、スタインバーガーでは両端にボール・エンドがついた専用弦を使用し、弦を引っ張ることでチューニングを行います。この方法により、巻き取り部での弦のたわみ、又、巻き取る事による弦の捩れがなくなる為、チューニングの高い安定性を確保できます。

このチューニングの安定性を生かして、トランス・トレムでは和音を保ったままのアーム・アップ/ダウンが可能になっています。

アームにはロック機能がついているので、半音下げ状態とかで固定することも可能です。ノーマル・チューニングでもロックできるので演奏中に弦が切れた時も音程をキープすることができます。

このような特徴のあるスタインバーガーのギターなのですが、これを一言で表すなら「限りなく合理的なギター」という事だと思います。

あくまでも自分の中での印象ですが、ギブソン系のギターには「伝統工芸的なギター」、フェンダー系のギターには「マニュファクチュア的なギター」そしてスタインバーガーは「完全な工業製品」というイメージがあります。

あまりにも工業製品としてのイメージが強い為、そこに楽器としての温もりとか愛着とかを感じられないのが、このギターが一般受けされない原因なのかとも思っています。

でも、自分はこいつが大好きなんですよ。

現在ではデザイン的にトンガッたギターは沢山あります。けれど、そのベースとなっている設計思想はレスポールやテレキャスの頃からあまり変わっていない気がします。

スタインバーガーは理想となる素材から作り上げ、すべてに渡って既成概念にとらわれない新しいギターのスタイルを完成させました。

これってRockじゃないですか?(ちょっと強引ですか?)

これまで幾つかのギターを手に入れ手放してきましたが、こいつだけは手放さないつもりです。

Steinberger_1

そんな大好きなギターですが欠点が2つ。

1、補修部品が入手出来ない。壊れたら部品が無いので、怖くてトレモロを思い切り操作出来ません。指板が樹脂製なのでフレットの交換でさえ出来るかどうか…。

2.ボディが小さすぎて右腕の支えが無いので弾きづらい。

…このギターが普及しなかった本当の問題点は、これなんだろうなと思う今日この頃。

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