夕刻、居合の稽古に行くために、いつもの歩道を歩いていた。
通い慣れた道。たまには違うルートを通ることはあるが、何年も週末にはこの道を通っている。
通い慣れた道。でも、何かが違う。…ふと感じる違和感。何が違う?
ありふれた日常の中にいるはずなのに、まるで知らない町の中に一人放りこまれたような疎外感。知っているのに知らない景色。
子供の頃、夕方になると町の景色は違って見えた。長く伸びる影、友達と別れた公園の帰り道。楽しい遊びの後の一抹の寂しさ。孤独という言葉は知らなかったが、幼いなりに孤独という感情が在るのは判っていた。
孤独。そう、今日の風景には何かが足りない……。
今日の風景に足りないもの、それは…
というほど大げさな話ではないのですが、何が足りないか分かります?
電信柱はあるけど、間の電線が無いんです。この前まで大掛かりな歩道の工事を行っていたので、きっと電線を地下に埋めたのでしょう。
普段は電線なんて気にも止めて無いんですが、無ければないで、意外と違和感のある風景でした。
目的もなく、ただそこに突っ立ているだけの電信柱が意外とシュール…。
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