先般の居合道講習会の折、休憩時間に知人達の話を聞いていると居合で使用している日本刀を持ち歩く時に「銃砲刀剣類登録書(以後「登録書」)の原本では無くコピーを持ち歩いている、との会話がありました。
「エッ、それは駄目だろう」と思い、登録書は原本を持ち歩くように伝えたのですが、そもそも本当に登録書の原本を持ち歩必要があるのか、自分でもちょっと記憶があやふやだったので帰宅してから調べてみました。
銃砲刀剣類所持等取締法
日本刀の所持については「銃砲刀剣類所持等取締法」に規定されています。ナイフを使った事件が起こる度に話題になる、いわゆる「銃刀法」と言われる法律ですね。
こちらが「銃砲刀剣類所持等取締法」の全文になります。
法令データ検索システム⇒銃砲刀剣類所持等取締法
その中で、日本刀の携帯時における規定は第二十四条に有ります。下記に引用します。
(許可証、年少射撃資格認定証及び登録証の携帯等)
第二十四条 銃砲又は刀剣類を携帯し、又は運搬する者は、当該銃砲又は刀剣類に係る許可証、年少射撃資格認定証又は登録証を常に携帯していなければならない。
2 警察官は、前項の規定の履行を確保するため、銃砲又は刀剣類を携帯し、又は運搬する者に許可証、年少射撃資格認定証又は登録証の提示を求めることができる。
3 警察官は、前項の規定により許可証、年少射撃資格認定証又は登録証の提示を求める場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、これを提示しなければならない。
しっかり「登録証を常に携帯していなければならない」と規定されていますね。
コピーは駄目って書いてないんじゃない?と思う人があるかもしれませんが、自動車を運転している時に運転免許証の提示を求められて免許証のコピーを出したらどうなるか、と言うのと同じ事だと思います。
銃砲刀剣類登録書ってペラペラの紙切れであまり有難味もありませんが、れっきとした公的な証書なのでその紙自体に意味があるのであってコピーじゃ駄目な事はおわかり頂けると思います。
出掛ける時は忘れずに…
という事で、日本刀を持ち歩く時(これも無闇に持ち歩いてはならぬ事が銃砲刀剣類所持等取締法の第十条で規定されています)は、登録書の原本も携帯しましょう。
ちなみに、登録書を所持していなかった場合は20万円以下の罰金です。(同 第三十五条二)
ちなみのちなみに、警察官に登録書の提示を求められた時、拒んだり逃げたりしても20万円以下の罰金です。(同 第三十五条六)
現代社会では美術品としてのみ価値が認められている日本刀ですが、実際には凶器となりうる武器である事に変わりは有りません。
日本刀を世間から安心して受け入れて貰える様にする為にも、居合道を嗜む者は法律に則って正しい刀の取り扱いをするようにしましょう。
コメント
法律を守るお仕事の方が、本証を無くすといけないので、
コピーを携帯していると仰っていたので、それにならっていました・・・。
飛行機に搭乗したときは、コピーではなく本証を提示するように、
航空会社から事前連絡がありました。
自分で書いておいて何ですが、実際問題としてはそれほど五月蝿いことは言われていないのかな、という気もします。
が、やはり何かあった時に自分を守る為にも隙を作らないようにはしておくべきで、遵守すべきは遵守するという事が大事と、自戒を込めて思っています。
そう言えば全日本大会では試合前に登録書の確認があるみたいですね。
全日本居合道大会では 当日会場にて 各チ-ムの監督が選手3名分の 登録証を審判係に提示しておりました。もちろん 本証でした。コピ-だと 万が一 相手チ-ムからの異議申し立てが出た時に 失格になるかもとの説明がありました。又 必要以上の サポ-タ-.包帯.も着用しないようにとの事でした。
森原先生
実際に全日本に出場された貴重な体験談、有難うございます。
確かに、日本刀の使用とサポータについては、
「居合道試合・審判規則 第16条 1.」に「第3条で定められた日本刀以外の刀を使用したものは、負けとし、相手に勝旗数3本を与える。」
「同・審判細則 第5条」に「サポーター等の使用は、医療上必要と認める場合に限り、見苦しくない程度において、これを認める。」
と、ありますね。