オリンパスの思い出

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「オリンパスがカメラ事業を投資ファンドに売却し、撤退すると発表した。」

カメラ大衆化の旗手、オリンパスが退場 - 日本経済新聞
オリンパスがカメラ事業を投資ファンドに売却し、撤退すると発表した。「PEN(ペン)」ブランドを売り物に小型・軽量化や女性ファンの開拓でも先行し、高級品だったカメラ市場の裾野を広げた。ただ2010年代に入るとスマホにカメラ初心者層を奪われ、事業の再建に取り組んだが赤字体質が続いていた。想像を上回るカメラ市場の縮小ペースに...

OLYMPUS PEN S

半世紀近く昔の話です。

私が初めて触れたカメラが親父の持っていたオリンパス PENS でした。
小学生の頃、南九州へ家族旅行に行った折に、白黒フイルムの入ったPENを「旅行中これで好きに撮ってみろ」と渡してくれました。(親父は自分用にニコンの一眼を持っていました)

36枚撮りの白黒フィルムはハーフサイズのPENなら72枚撮影できます。3日間の旅行で全部撮りきったと思います。

当然AEもAFも有りませんから、フィルムの箱に書いてあった天候と絞り・シャッタースピードの相関表を見ながら露出を決め、距離は適当に目測で設定してシャッターを押します。

日中の屋外で撮った物が多かったので、初めてながら何が写っているか判らない様な悲惨な写真は少なかった様に記憶しています。

旅行から帰り、現像から帰ってきた自分の撮った写真を見ていると、その写真を撮った時の出来事が思い出されました。

写真を撮る楽しさをこの時初めて感じたのだと思います。

やがて中学生になった私は、学校の写真クラブに入りPENで校内のスナップを撮りためるのでした。

OLYMPUS OM-1

高校に入った私は、入学してすぐに写真部に入りました。

相変わらずPENを使用していたのですが、ちゃんと部活をやるのなら、という事で入学祝も兼ねて一眼レフを買ってもらいました。それがオリンパス OM-1でした。

何故 OM-1 になったのか記憶が定かではないのですが、まあ近所のカメラ屋で値段の折り合いが良かったのではないでしょうか。自分的にはそこまでカメラに詳しく無かった事もあり、写真が撮れるなら何でも良い、と言う感じでした。(この感覚は今も大して変わってないと思います)

初めて手にした一眼レフは PEN と比べると重くて大きくて、いかにも機械然としており、なんか凄い物というイメージでした。一番戸惑った点は、ハーフサイズのPENはファインダーが縦長なのに対してフルサイズのOM-1は横に広く、その視界の違和感に慣れるのに時間が掛った様な気がします。

高校の写真部には、暗室があって白黒ならフィルム現像から紙焼きまで出来る設備もありました。

当初はおっかなびっくりやっていた現像作業も、慣れてくると増感現像で遊んでみたりして、今に通じるハイコントラスト・粒子荒れ好きの性癖はこの頃培われたものと思われます。

そんなこんなで高校の3年間をOM-1と共に写真部ですごしましたが、高校を卒業と同時にすっぱりカメラはやめてしまいました。

当時の自分の環境では現像設備を自前で用意するのが難しかったことと、興味の対象が写真から音楽に移ってしまっていましたから…。

そして現在。何の因果か半年ほど前からカメラ趣味を再開し、デジタルですが相変わらず白黒スナップを撮っております。

OM-1の後、オリンパスのカメラを手にすることは有りませんでしたが、私に写真の楽しさを教えてくれたのはオリンパスのカメラ達でした。

これから先、オリンパスと言う名のカメラは消えていくかもしれませんが、私の記憶から消える事は無いと思います。

楽しい時間をありがとう。

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